トスカニタ / 場所
アルノ川の向こう側。
サント・スピリト、広場の尺度で見るフィレンツェ。

オルトラルノは、何よりもまず位置を示す言葉です。川の向こう側。岸を変えることは、視点を変えることでもあります。フィレンツェについての私たちの覚え書きは、サント・スピリトから始まります。
縁を見る。
聖堂の漆喰のファサードは、くっきりとした輪郭を見せています。端から始めることができます。教会と家々の関係、パラッツォ・グアダーニのロッジャ、ひとつの敷居、窓のリズム。飾り気のない表面は縁取りを際立たせ、影は明るい壁に奥行きを与えます。
人が暮らす広場。
店や工房、人の集まる場所が、日々の仕事と人の尺度に街をつなぎとめています。私たちの手帖にフィレンツェが入ってくるのも、そんなふうにしてです。窓辺の近くのテーブル、低い位置から見上げるファサード、歩いて渡る道。全体に戻る前に見つめるディテールです。
